ささがねの ゆらら琴のね

~ いにしへの和歌招く響き ~

琴奏・三輪大神に奉る

腹をくくる心持ちで、琴奏の記録を更新しつつ、このブログについても再検討の作業をしています。

ブログ名が変わったり、しばらく少しずつ試行錯誤がありますので、ご了承くださいませ。

 

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前のブログで、琴を手にしてから、まず故郷・産土神社で弾きたいと願ったことを書きましたが、

同様に、私の生来の憧れの地・奈良の、長くご縁ある史跡や寺社で奏でたいという宿願もあり、

 

少女の頃から恋に似た心地で惹かれ、足しげく通い続けた、三輪に参り、

お山付近の、人がなるべくいないところを見計らって、奏でました。

 

三年ほど前、巳の神杉近くで奏でた記録です。


真琴・大神神社巳の神杉に奏上 - YouTube

 

こちら大神神社様は、さまざまなご神徳・ご利益で知られますが、そのひとつに芸能上達・福徳成就があります。

能楽『三輪』に、三輪の神は伊勢の神と一体分身と歌われ、暗闇を照らし人々の顔を光で「面白や」と照らす、岩戸神楽の様子が描かれていることもあり、さもあらんと思います。

 

ただし、いくらあやかりたくても、人目に立つような演奏を神社内で披露するのはマナー違反。

この動画では、楽器の前で録音したので響いて聞こえますが、実際には、人が近くにいない時を見計らい、ひとり目立たぬ場所で、短時間、お祈りくらいの音量で弾いています。たまに通行人がいても気づかれないくらいに。

 

この琴の有難いところは、ささやかな爪弾きだと、ほとんど人のささやき程度の音量に抑えられること。

なるべく人の少ない日時を選び、土地神様にだけ届くような、ひそやかなご奉奏をするのが、こうした場所での私の心得です。

 

公にご依頼やお許しを得た機会以外は、正式にはご奉納とは言いません。

記録の上でも、そこは区別してアップしています。

 

個人奉奏の際は、私は琴のねを通して、人知れず土地そのものと語り合うような心地にて、ひっそりと巡拝をしております。

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三輪・檜原神社付近から箸墓古墳二上山の夕日を望む。