ささがねの ゆらら琴のね

~ いにしへの和歌招く響き ~

名古屋・大須の三社巡り②北野神社・大正琴の碑

三輪神社から、地図を頼りに、北野神社を目指します。

このあたりは寺町なんですね。大小、品の良いお寺が多い気がします。

 

通りかかったお寺の御門前。f:id:shihina_takisato:20220223092641j:image

はじめ、この二羽が内側に向かい合わせで座していたので、まぁ仁王様か狛犬さんみたい、と思ったんですが、カメラ構えるうちに動いちゃった…

 

5分くらい歩いて、北野神社に到着。f:id:shihina_takisato:20220223092925j:image


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ちゃんと撫で牛さんもいらっしゃる。
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正直なところ、ささやかで驚きました。

すぐ背後?くらいが大須観音なのですが、大須観音の規模からすると、境内とも言えないところに、ひっそり鎮まっていなさる。

もちろん、丁寧に管理されているのは、とてもよくわかります。

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伝えによれば、後醍醐天皇勅願とのこと。

こちらが勧請されたことで、大須観音ができたという由緒を聞いていなかったら、むしろ逆で、寺の鎮守に祀られたのかと思った気がする。

 

京都の北野天満宮には西向観音堂があり、

道明寺天満宮には道明寺の観音様がある。

奈良の長谷寺にも、ちょっと目につきづらいですが、與喜天満宮があるし、

天神様と観音様は、結びつけられ、同体とされて祭られることが多いようです。

神仏習合の時代には同じ場所に祀られていて、神仏分離で別にされる例は多いですが、

大須のこちらは、大須観音に参りに来ても、ささやかすぎて知らずに参らぬ人が多そうだなというイメージがあります。

せっかくの御由緒の、いわば観音霊場の地主神ともいえるお社、知らず終いなのはもったいないですね^^;

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こちらの天神様は、にぎやかなのがお嫌いなのかな?私みたいなのには、静かにお参りできて、嬉しい感じですが。

むしろ私は、今回、この北野様のことを知ったことで、大須へ参ろうと思い立ったのですから、他のお社と共に、明らかにご縁を賜ったと感じられて、嬉しくなりました。

 

さて、セオリー通りに、大須ときたら大須観音へ。
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さすがに賑やかだし、立派です。

観音様、お不動様に、ゆっくり参拝させていただきました。

 

そして、こちらの目的のひとつは、こちらでした。

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大正琴発祥を顕彰した碑。

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子供の頃にいっとき憧れたことがありましたが、仔細はまったく知らず。

二弦琴の八雲琴がもとになっていて、重陽節句にちなんで“菊琴”と名づけられた…なんてステキな由来ですね。

その後、少年がさらに愛し改良し…などと由来を聞くと、『菊慈童』を連想し、永遠性を感じてしまいます。『菊慈童』では深山に追放された少年は、経文の書かれた枕のみ抱いて過ごしたようですが、琴の一棹でもあったら、どれほどにか慰められたでしょうに。

 

大正…というとイメージでこの音色が脳裡に浮かぶくらいの、ノスタルジックでいてモダンな印象の近代楽器。

私はまったく分野が違うながら、平成の創作琴を愛し用いる身として、惹かれる逸話でした。

 

ここにたどり着いた頃から雨が降り出してきたので断念しましたが、ここで少し弾きたかったな。