ささがねの ゆらら琴のね

~ いにしへの和歌招く響き ~

記録・七社神社 七夕祈願祭

東京都北区西ヶ原にある、七社神社。


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江戸の花見の名所で有名な飛鳥山のお隣に位置し、

今年の大河ドラマで話題の渋沢栄一翁が、大成後に飛鳥山に邸宅を構えたことから、さまざまなゆかりが伝わる名社でありつつ、

喧騒から離れひそやかに鎮まる、地元の憩いのお社です。

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ご由緒書によれば、江戸期の火災により記録その他すべてが失われたため、詳しい伝承は不明、ただし創建は古いとみられ、かつては現・古川庭園のあたりの寺内に祀られていたが、明治期の神仏分離により現在の地に移されたと伝わります。

現社地にはもともと“一本杉神明社”が祀られており、この地域における鎮守でした。

 

七社の名の通り、ご本殿には七柱のご祭神が祀られ、七所明神とも記されています。

 

最近発行された、武藤郁子氏著『縄文神社』(20210616飛鳥新社刊)に、太古、東京湾はこのあたりまで達しており、縄文遺跡や貝塚などが発掘調査されていることを指摘、

当初想像されていたよりも、神地としての歴史は遥かに古かったのではと、改めて注目されているお社です。

 

付近の縄文遺跡より発掘された石棒を模した、こちらの神社特製の縁起物「子授け石棒」。

子宝・子孫繁栄と子育てのご利益の、こちらの神社様ならではの授与品で、子宝以外にも、新規事業や新しく立てた志が、大きく育ち発展するようにとのご利益が提唱されています。

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私は三年ほど前から、こちらの神社様にご縁をいただき、これまで、新年と秋大祭の宵宮にご奉納させていただいていたのですけれど、

今年は、七夕祈願祭のご神事にも参列させていただき、琴奏をお許しいただきました。

 

七月七日、午後七時催行の、七社神社の七夕祭。

七並びのお社ならではの、喜ばしい行事です。

 

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本来であれば七夕祭は、近在のかたがた、お子様方が楽しみにされて集い、五色の短冊に願い事をしたためてご神前にて祈願するお祭りなのですけれど、

昨年よりのコロナ禍にて、さまざまな行事や祭典の中止や縮小が余儀なくされ、

今年も、氏子崇敬者・参拝者等を招くことなく、ごく内々にてひっそりと星に願いを届ける行事となりました。

 

その様子を、近在のYouTubeチャンネル『うきま.jp』が取材に訪れ、動画に編集してくださり、私も少しだけ琴奏の様子が写っています。


七社神社 七夕祈願祭 「コロナ終息」は世界の願い 令和3年(2021年)7月7日 東京都北区西ヶ原 2-11-1 渋沢栄一翁ゆかりの地 - YouTube

 

動画内で禰宜様が申されておられるように、今年の短冊には、「早くコロナがおさまり、平穏な日常が戻りますように」の願い事が多く見られました。

 

その祈りが天に届いたしるしか、

毎年、七月七日に星が見えるほど晴れることはなかなかないのに、この日は当初、雨予報だったにも関わらず、

なんと夕刻には晴れ間が見え、わずかながらも星月夜の七夕となり、明るい兆しが感じられる宵となりました。

 

心穏やかに、人が集まり楽しめる日々が戻ることを信じられる、今年の七夕祭でした。

 

七社神社様での記録は、これから折々アップしていきます。